家族葬と密葬は、どちらも少人数で行う葬儀という点では共通していますが、いくつかの違いがあります。故人の知名度や社会的地位の高さ、そして後日に本葬やお別れの会を行うかどうかが、両者を分ける大きなポイントです。
「家族葬と密葬は何が違うの?」「自分たちはどちらを選ぶべき?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。葬儀に関する言葉は似たものが多く、違いがわかりにくいものです。
本記事では、家族葬と密葬それぞれの意味や違い、密葬を選ぶ際の注意点、訃報の適切な伝え方までをわかりやすく解説します。葬儀の形式に迷う方、家族葬と密葬のどちらが自分たちに合っているか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
密葬と家族葬の違いは本葬やお別れの会の有無
家族葬と密葬の最も大きな違いは、後日「本葬」や「お別れの会」を行うかどうかです。密葬では、身内だけで葬儀を執り行ったうえで、後日に本葬やお別れの会を改めて開くことを前提としています。
著名人や社会的地位の高い方が亡くなった際、多くの関係者やファンが故人とのお別れを望むケースがあります。そうした方々のために、密葬とは別に改めて広く参列を募る場を設けるのが、本葬やお別れの会の役割です。密葬から本葬・お別れの会までの期間は特に決まっておらず、数週間から数か月と幅があります。
本葬とお別れの会の違い
本葬とは、密葬の後に改めて執り行う、参列者を広く招く葬儀のことです。宗教的な儀式(読経・焼香など)を含む形式で行われることが多く、規模の大きな式場で多数の参列者を迎えて執り行われます。企業の経営者や政治家が亡くなった際に行われる「社葬」も、本葬の一形態として位置づけられます。
お別れの会は、宗教的な儀式を伴わない形で行われる集まりで、「偲ぶ会」と呼ばれることもあります。形式にとらわれず、故人の人柄や功績を振り返りながら参列者が思い出を語り合う場として設けられるのが一般的です。本葬よりも自由な雰囲気で行われるため、宗教・宗派を問わず幅広い関係者が参加しやすい特徴があります。
家族葬は家族や親族、親しい友人・知人だけの葬儀
家族葬とは、家族、親族、親しい友人・知人など、故人と縁の深かった少人数の方だけで執り行う葬儀のことです。一般的な葬儀(一般葬)が幅広い参列者を受け入れるのに対し、家族葬は参列者をあらかじめ絞り込む点が最大の特徴です。
参列者の範囲は喪主や遺族の判断によって決まるため、厳密なルールはありません。家族・親族だけの場合もあれば、生前から交流のあった友人・知人も呼ぶ場合もあります。10名以内の小規模な葬儀になることが多いですが、中には30〜40名規模で行われるケースもあります。
葬儀の形式そのものは一般葬と変わらず、お通夜・告別式・火葬の流れで進みます。規模が小さい分、費用を抑えやすく、また参列者一人ひとりとゆっくりお別れの時間を持てるのが、家族葬を選ぶ主な理由です。
ただし、参列できなかった方への配慮も必要です。後日、訃報を知った友人・知人から弔問の申し出が相次ぐケースもあるため、参列者以外への連絡のタイミングや、香典辞退などの対応についても事前に検討しておきましょう。
密葬は著名人や社会的地位の高い方が身内だけでする葬儀
密葬とは、著名人や社会的地位の高い方が亡くなった際に、一般の方への公表を控え、身内だけでひっそりと執り行う葬儀のことです。家族葬と同様に少人数で行われますが、密葬には「後日、本葬やお別れの会を別途行う」という前提が伴う点が大きな違いです。
著名人や企業の経営者、政治家などが亡くなった場合、多くの関係者やファンなどの参列が予想され、大規模な葬儀の準備には時間がかかります。また、ご遺族に大勢の参列者を受け入れる精神的な余裕がないことも珍しくありません。
そこで、まず身内だけで密葬を行い、改めて日程を整えたうえで本葬やお別れの会を開く流れが一般的です。訃報の公表も密葬が終わった後になることがほとんどです。その際、報道や関係者への通知には「葬儀は近親者のみで相済ませました」と一筆添えるのが一般的なマナーです。
これは、葬儀中に一般の方や報道関係者が集まることを避け、ご遺族が故人と静かにお別れできる時間を確保するためでもあります。
一般の方が少人数で行う場合は「家族葬」と呼ぶのが適切です。密葬と家族葬は似ているようで、使われる場面や意味合いが異なります。
家族葬も密葬も葬儀の流れは一般葬と同じ
家族葬も密葬も、参列者の規模が小さいという特徴はありますが、葬儀の流れ自体は一般葬と変わりません。「納棺→お通夜→告別式→火葬」という基本的な順序で進みます。
一般葬のお通夜では、幅広い参列者が訪れますが、家族葬・密葬の場合は招いた方だけが集まるため、より落ち着いた雰囲気の中で故人を偲べます。翌日の告別式では、僧侶による読経や焼香が行われ、参列者が最後のお別れをします。告別式の後は火葬場へと移動し、火葬・収骨する流れが一般的です。
宗教的な儀式の内容についても、一般葬と異なる点はありません。仏式であれば読経・焼香、神式であれば神道の作法に従った式次第で進みます。無宗教形式を希望する場合は、一般葬と同様に自由な形で式を構成できます。
家族葬や密葬を選んだとしても、葬儀社との打ち合わせ、返礼品の準備、僧侶への連絡など、一般葬と同様の準備が必要になります。規模が小さいからといって準備の手間が大幅に減るわけではないため、葬儀社には早めに相談しましょう。
密葬の注意点
密葬は身内だけで静かに行える一方、事前の準備や関係者への配慮を怠ると、後々トラブルに発展するケースがあります。密葬を選ぶ際には、次の3点に特に注意が必要です。
あらかじめ親族の理解を得る
密葬で最も多いトラブルが、親族間の意見の食い違いです。「なぜ知らせてくれなかったのか」「参列できなかった」という不満が、葬儀後の親族関係に影響することも少なくありません。密葬を希望する場合は、事前に親族へその旨を伝え、十分な理解を得ておくことが大切です。
参列の範囲をどこまでにするかについても、あらかじめ家族・親族間で話し合っておきましょう。後日に本葬やお別れの会を行う場合は、その予定も含めて共有しておくことで、参列できなかった親族の気持ちに配慮できます。
事前に菩提寺に相談する
密葬では、身内だけで葬儀を行い火葬まで済ませるのが一般的です。その後に行われる本葬やお別れの会では、故人はすでに火葬された状態となります。この流れを菩提寺(先祖代々のお墓がある寺院)に事前に伝えないまま進めてしまうと、住職との間でトラブルが生じるケースがあります。
特に多いのが、密葬で菩提寺に知らせずに火葬を進め、本葬にだけ住職を招くケースです。菩提寺の住職としては、火葬の前に枕経や通夜・告別式での読経を行うことを当然の流れと捉えていることが多く、事後報告では関係性を損なう原因になりかねません。また、対応の仕方によっては、後の納骨を断られるという事態に発展することもあります。
密葬を検討している場合は、早い段階で菩提寺に連絡を取り、密葬(近親者のみの葬儀)で火葬まで行う旨を正直に伝えたうえで、住職の意向を確認することが大切です。
情報が漏れないように気を付ける
密葬では、葬儀が終わるまで訃報を公にしないことが前提になります。しかし、参列者の誰かがSNSに投稿したり、知人に伝えたりすることで情報が広まってしまうと、葬儀中に一般の方や報道関係者が集まるなど、ご遺族の意図しない事態が起こりかねません。
密葬への参列を案内する際は、「葬儀終了まで訃報を他言しないこと」を参列者へ明確に伝えることが重要です。著名人や社会的地位の高い方の場合は特に情報管理が求められるため、参列者の選定そのものも慎重に進めましょう。
家族葬での訃報の扱い方
家族葬では、参列者の範囲をあらかじめ絞り込んでいるため、訃報をいつ・誰に・どのように伝えるかが重要なポイントになります。訃報の扱い方を誤ると、参列を断りにくい状況が生まれたり、後から知った方に不満を与えたりすることにもなりかねません。
参列者のみに事前に訃報を知らせるのが一般的
家族葬では、参列をお願いする方にだけ事前に訃報を伝え、それ以外の方には葬儀が終わった後に知らせるのが一般的です。葬儀前に広く訃報を伝えてしまうと、参列を希望する方が増え、家族葬の趣旨である「少人数でのお別れ」が成り立たなくなる可能性があるためです。
参列者以外にも事前に訃報を伝える場合の注意点
故人と生前に深い関わりのあった方や、遠方に暮らす親族など、参列はできないものの事前に訃報を伝えておきたいケースもあるでしょう。そうした場合は、「家族葬のため参列はご遠慮いただいている」という点を明確に伝えることが不可欠です。
訃報を受け取った方が「それでも駆けつけたい」と感じるのは自然なことです。あいまいな伝え方をしてしまうと、相手も参列すべきかどうか判断に迷い、かえって気を遣わせてしまいます。「参列はご辞退いただいております」と明確に伝えたうえで、後日改めてお線香をあげる機会を設けるなど、弔意を示せる場を用意しておくと、相手への配慮にもなります。
また、事前に訃報を伝えた方が香典や供花を送ってくださる場合もあります。受け取るかどうかを事前に決めておき、辞退する場合は訃報を伝える際に「香典・供花はご辞退申し上げます」と一言添えておくとスムーズです。
家族葬での訃報の伝え方は、こちらの記事で解説しています。葬儀前に伝える場合と葬儀後に伝える場合に分けて、気を付けることや訃報の例文を紹介しているので、お役立てください。
家族葬への参列はお断りしても良い|参列辞退の伝え方と注意点、香典や後日弔問の考え方
一般の方なら家族葬、著名人や役職の高い方なら密葬が選択肢になります
家族葬と密葬はどちらも少人数で行う葬儀という点では共通していますが、選ばれる背景や目的には明確な違いがあります。一般の方が「家族だけで静かに故人を見送りたい」と考えるなら家族葬が、著名人や社会的地位の高い方が「身内だけで先に火葬まで済ませ、後日改めて本葬を行いたい」という場合には密葬が、それぞれ適した選択肢です。
どちらの形式を選ぶにしても、事前の準備と関係者への丁寧な対応が、後々のトラブルを防ぐうえで欠かせません。特に「誰に、いつ、どのように伝えるか」という訃報の扱い方は、葬儀の形式を決める段階から並行して考えておくことをおすすめします。
葬儀の形式や訃報の伝え方に不安のある方は、ぜひあんしん祭典にご相談ください。あんしん祭典は都内式場数No.1を誇る葬儀社で、家族葬・一般葬・社葬・オリジナル葬など、幅広いプランを用意しています。
ご依頼・ご相談は24時間365日無料で受け付けており、深夜・早朝を問わず自社の専門スタッフが対応いたします。「まだ具体的な話ではないが、いざというときのために準備しておきたい」という事前相談も歓迎しているので、気になる点があればいつでもお気軽にお問い合わせください。

